喫茶ε

10月 喫茶[ ε ]での絵画展

 

 

阿佐ヶ谷美術専門学校 絵画表現科

わたしは週に一度、先生として学校へ向かいます

およそ十人のクラス

担当している時間は「自由表現」

みんな、それぞれの関心事を深める時間です

十人十色という言葉もあるように

一人一人の制作は様々で

描かれた絵に向かい、わたしは言葉を探します

絵には間違いもなければ、答えもない

ただ、描きたいから描く

目的をもたない

そのクリアな時間には多くの発見があります

 

展覧会「じゅう」

みんなの気配が店に重なる

どんな時間があらわれるでしょうか

喫茶店という一休みの場所で

一緒に感じていただけましたら幸いです

 

喫茶[ ε ]店主

手塚真梨子

 

 

 

 

 

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展覧会「じゅう」

10/3(水)~10/14(日)※8日、9日お休み

12時~22時

 

天野 佑紀

飯尾 怜未

奥田 颯

片岡 壮

松井 美帆

三上 敬司

吉嶺 真太郎

刘 晔涛

劉 君苗

 

......................................................

 

展覧会を終え、豊かな時間を振り返ります。

 

卒業したら、それぞれの道へ

このひととき

みんなと時間を重ねることができて、とても嬉しく思いました。

 

みんなの絵の続き

10/20(土)21(日)は学園祭

二年生の作品を中心に、アトリエに絵が飾られます。

三年生は、卒業の頃に卒業制作展。

今回とまた違ったもの、深めていったもの…楽しみです。

お時間ありましたら、ぜひ。

阿佐ヶ谷美術専門学校

http://asabi.ac.jp

 

 

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描き重ねてきた店の壁には
絵画表現科のみんなの顔が並びました。

授業の最初の時間は準備運動
お互いを描きっこしてもらいました。
これは、上手に描かない練習。
画材はボールペン、クレヨン、色鉛筆‥
消しゴムが使えない画材をつかって。
間違ったと思った線も
相手を見ようとした跡だから、間違いじゃない。
大切にしたい一つの線。
そんな気持ちです。

 

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奥田 颯  (三年生)
「In a dark room of floral print wallpaper.」

 

鉛筆で描かれた作品です。
ポートフォリオも預かりました。
開くと、人物像がたくさん。
あ、このひとはあの映画のあの場面‥なんて見つけるとなんだか楽しい。

 

 

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三上敬司   (二年生)
「孤島」

 

三上くんの線は
一つ一つ確かめる感じ
描いては消し、描いては消し‥
うっすら残った消し跡には
過去の景色が浮かんでいるよう

‥なんて、わたしは感じましたが‥

めくったポートフォリオには、
紙いっぱいに一つのモチーフがでーんとあって。

 

 

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片岡壮   (三年生)
「秋刀魚の涙」

 

㋕ミナリガナッテ
㋟マシイニヒビク
㋔カノウエデハ
㋕モメガナイタ
㋞ウシテ
㋒マレル

カタオカソウ
先日、あいうえお作文をつくらせてくれました。
片岡くんの制作をみていて浮かんだ言葉です。

カミナリのような激しさをもち
カモメが飛ぶ穏やかな海に憧れる
渦巻く混沌のなか見つけるのは
一筋の光

 
 

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吉嶺真太郎   (二年生)
「最後の宿」

 

吉嶺くんの作品は、いつも物語を感じます。
この宿に辿り着くのはどんな人
どんな場面、どんな気持ちなのでしょう‥
風が吹いたら、次の場所を目指すのでしょうか?
あ、「最後の宿」だ。
ということは‥

 

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天野佑紀   (三年生)
「遊泳」

 

天野さんの作品には
度々イルカが登場します。
音を発し、言語をもつというイルカ
肺で呼吸をしたり
人間と似ているのかな。
七色の画面の中に佇むイルカに
自分や誰かを重ねてみたり‥

 

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劉君苗   (三年生)
「生る」

 

版画でつくられた作品です。
黒に浮かぶチューリップ
黒は闇を想像させますが
この闇は、やわらかい。
「生る」という題を合わせて絵に向かうと
やわらかな決意、優しさと力強さ
そんな言葉が浮かびました。

 

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刘晔涛   (研究生)
(無題)

 

エイトウくんは
古くからある樹木に
幼いこどもや若い女性を合わせて描くという制作を続けています。

わたしはオールド珈琲を浮かべました。
年月を重ねた珈琲豆
いま汲んで沸かしたばかりの湯を注ぐ。
ゆっくり抽出されるのはなんだろう。
時間でしょうか。

 

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飯尾怜未   (二年生)
「serendipity」

 

夜更けの真ん中って、こんな景色だったりするのかも‥
版画で描かれた、やわらかな画面
serendipity
意味を調べると
「素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。」

飯尾さんの絵を眺めながら
静かなピアノを一枚聴きました。

 

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松井美帆   (三年生)
「あじさい」

 

松井さんの作品は、際がとてもきれい。
繊細に向かった筆の先
意識は向こうへ
花の間に抜けていく。

あじさいの語源は「藍色が集まったもの」
英名Hydrangeaは「水の器」

 

 

 

 

 

 

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また お会いできますように

ありがとうございました!